覚書 9

覚書 9

for future

月曜日、ゲオに行って、CDを見て、アルバムを四枚購入した。
アンダーワールドフェリー・コーステン、globeのLEVEL 4、小室哲哉とMr.マリックがコラボしたアンビエントアルバム。
それから、Amazonで、小室さんのソロアルバムを二枚、著書を一冊、注文して、現在、ソロのファーストアルバムが手元に届いている。

トランスに興味が出てきている。
それと、小室哲哉さんの楽曲に興味があって、globeのLEVEL 4はまだきちんと聞いていないのだけど(この文章を打ち込みながら流して聞いている)、とても素晴らしく、私の中の何かとしっくりくる感じがする。

水曜日、昨日。
for futureという曲を制作して、サウンドクラウドにアップした。
約18分ある曲で、多分、globeの曲の影響を受けていると思われる。
演奏自体はスムーズに完成して、あまりの呆気なさに、これでいいのかしら、と、演奏し直して、テイク2もサウンドクラウドにアップしたのだけど、聞き直して、最初の演奏がいいなぁ、と思ったので、テイク2は削除した。
本当に、ほとんど、苦労なく、演奏が出来てしまった。
無我夢中で演奏していた。

今回の曲は、音色を準備するのが大変だった。
トータルで、15の音色.リズムを用意して、それらを足したり引いたりして演奏している。
音色を準備するのに、三時間以上かかっている。
これは、音色の数が、今までの曲の三倍なので、すなわち、三曲分の音色を、一曲で使用していることになる。

これで、新しいアルバム、for futureの曲は全て作り終えた。
ジャケットのデザインも完成しているので、今週末ぐらいには、CDが作れるんじゃないかな。

今回のアルバムのイメージコンセプトは、テクノで、それも、大人の音楽を作りたかった。
インスピレーション、という私の曲の方向性で、バリエーションと完成度を上げたいと思っていた。
鈴木慶一さんの曲のイメージを参考にもしたし(サーチアンドデストロイという曲は、映画「アウトレイジ」のテーマ曲を参考にしている)、ノイジーな曲や、BPMが40とか35とかのスローテンポな曲、声を加工したちょっとした歌もの(鎌鼬)、自分としては納得の行く楽曲たちになったと感じている。

今回は、ほぼ全曲に、アンビエントミュージックで使われていそうな音色を使用している。
これは、iPhoneシンセサイザーアプリでアルケミー、というのがあって、ずっと曲作りに使用したかったのだけど、オーディオコピーの機能が何故かなくて、音色をコピーして使うことが出来なかった。
少し前に、アップデートして、オーディオコピーの機能が使えるようになったので、ここぞとばかりに、全曲に音色を使用した結果、テクノ+アンビエントの要素が組み合わさっているように、自分で聞いていると、感じられる。

音楽の尊厳。

音楽は、音は、音と音の組み合わせは、まるで生き物で、生命を持っているかのように、私には感じられる。
それは、一つの総合的な、生命なのではないだろうか。
それは、すでにして、「自分の音」「自分の音楽」から離れている。
その、「生命」には、当然のことながら、尊厳がある。
例えるならば、流れ、川の水の、空の雲の……。
音楽にはいくつもの流れがあるように、私には感じられてならない。
その流れには、生命があって、それは、演奏者である「自分」ではなく、音楽そのもの、音、自然を前にしたような。
草花には草花の尊厳があるように、私は、音楽には、音楽の尊厳があるように感じられる。

そのことを自覚したのは、デイの制作前後ぐらいの頃で(今年の夏頃)、デイでは、音楽というよりかは、音の方へと向かった。
音の輝き。
今回は、テクノで、音楽として、表現したかったものがあったのかも知れない。

分かりやすくいうと、荘厳な景色、太陽の光、朝焼けや夕暮れとかの、そのような景色を目にして感じるものと同種の感慨が、私の場合、自分の音楽に感じる時がある。
そこには、多分、掛け替えのない、尊厳、生きること、生きていることそのものの尊厳があるのではないだろうか。