覚書 5

覚書 5

欲しいとずっと思っていたカオスパッド2をAmazonで買って、手元に届いて三日目でアルバム一枚分の曲を完成させて、それら、十三曲をセットにして、今日の夕方、サウンドクラウドにアップした。
いつも、曲順を迷うのだが、今回は、直感と運任せで、だいたい決めて、サウンドクラウドにアップしてから、若干、曲のタイトルと曲順を修正した。
僕は、だいたい、曲作りそのものでは悩んだ記憶がない。
悩むのはいつも、タイトルであり、今回、ナンバリングしかしていなかった曲は、カオスパッドで使用したフィルターの名前から引用しているものが多い。
アイソレーターなどがそうである。

三日でアルバム用の曲を全て完成させることが出来たのは、もともとあった曲をカオスパッドでリミックスしているからで、僕の手元には、まだアルバムに入れていない曲が、三十曲ほどあって、何か物足りないなぁ、
としまってあり、あ、カオスパッドなら自分の求めているイメージに近づけるかも、と弄っていたら、三日間で十一曲をリミックスしていた(二曲は加工せずにそのままアルバムに収録する予定)。

ソロでは四枚目のアルバムのタイトルは、愛と憎しみ。
愛憎。
これは、たまたまそうなってしまったところが多々あるのだけど、今回は、ラブアンドピースとか、癒しとか、ましてや、エンターテイメントの方へ傾けるつもりは一切なく、今まで手掛けたアルバムよりも一層に混沌、カオスなものを作りたいと思っていた、カオスパッドなだけに。
まだあまり聞き返してしないのだが、今回は、今までで一番、人間臭く、昏く、あまり他人が聞いて喜びそうにないものに仕上がった。

これは、ある種の反動も含まれていると思うのだが、友人とのユニットでは、僕は職人的に徹しよう、と思い、そのような曲しか作らなかった。
そこでは、僕は、箱を作る職人さんみたいなもので、人が使える箱を、キレイに、使いやすく、破綻がないように、一つ一つ、手作りで作っていた感じ。
僕は、そのように、iPhoneシンセサイザーのアプリを用いた。

新しく手に入れたカオスパッドは、箱を作るのではなく、僕にとってまず、曲という名の箱を解体するものであった。
箱を壊し、新たに作り直す。
そこで作り直された箱は、使い勝手の良い、従来あるべき箱ではなく、使い方がいまいち分からない、アートのような箱に仕上げることが出来る。
それと、僕の中で、自分が以前仕上げたファーストアルバムのイメージが色濃くあって、あのアルバムを超えるには、カオスパッドの使い方が不慣れな今をおいてないだろうな、という考えもあった。
三日間、カオスパッドを弄って、何となく、使い方になれてきて、そもそも、手に入れる前から、カオスパッドはこういう音楽機材だろうな、という予想も当たっていたので、戸惑うことは一切なかったのだが、どういうフィルターがあるのか、とか、どのように音色が変化するのか、とかは、実際に曲を作らないことには、分からないことが多い。
そういう意味では、練習を兼ねて、十一曲に手をいれて、完成させた。

二人のユニットのアルバムから、友人のソロのギターの曲をリミックスしてみた。
これは、カオスパッドを弄り始めて三曲目に手掛けてみた。
ここでは、リミックスなので、原曲のイメージをほとんど残さないように、大胆なアレンジを施した。
自分の曲を弄るわけではないので、敬意を持って、今回の全体の流れの中では、どちらかといえば、まとまりのある曲に仕上げたつもりである。

まだ、アルバムのジャケット写真を決めていないし(これから新しく撮影した写真を使うかも知れない)、十三曲全体の流れを把握する為に、しばらく、何度も聞き直す必要がある。
多分、今月中までに、四枚目のアルバム、愛と憎しみ、は完成するんじゃないかな。

友人とのユニットの二枚目のアルバム用の曲はもうすでに三曲出来ていて(トータルタイム二十五分ぐらいか)、こちらをソロのアルバムに入れる考えもあったのだけど、思いのほか、曲を仕上げすぎてしまったし、曲の質が合わないので、やはり、ユニット用の曲として使用することにした。
僕の中では、ソロは混沌、ユニットは職人、という風に使い分けよう、と考えている。
いや、ソロは自由に、ユニットはエンターテイメント、という感じが近いかな。
ソロとユニット、どちらの曲も、僕は好きだし、曲を作っている感触がけっこう違うから、バランス良くやっていければ幸いである。